12月が近づくと、お歳暮のやりとりが始まります。贈る側なら「送り状は出したほうがいい?何を書けば?」、受け取った側なら「お礼状はいつまでに、どう書けば失礼にならない?」と、手が止まってしまうかたも多いのではないでしょうか。
じつはお歳暮の手紙は、決まった「型」さえ押さえれば、むずかしいものではありません。型に沿って、あとは品物の感想やひとことの近況を自分の言葉で添えるだけで、きちんと気持ちの伝わる一通になります。
この記事では、お歳暮のお礼状と送り状の書き方を、ビジネス・目上のかた・親戚や友人など相手べつの例文12選とあわせて紹介します。お礼メールの例文や、一筆箋で書く短い添え状、お歳暮を辞退したいときの書き方まで、まとめてご覧いただけます。そのまま書き写して使える形にしてあるので、○○の部分を入れかえてお使いください。
お歳暮のお礼状と送り状、なにがちがう?
まず、2つの手紙のちがいを整理しておきましょう。書く人もタイミングも反対です。
| お礼状 | 送り状 | |
|---|---|---|
| 書く人 | お歳暮を受け取った側 | お歳暮を贈る側 |
| 出す時期 | 受け取ってから3日以内が目安 | 品物より先(または同時)に届くように |
| 目的 | 品物へのお礼と、無事に届いた知らせ | 品物を贈ったこと・届く日のお知らせ |
| 主な形式 | 便箋・はがき(親しい相手なら一筆箋も) | 便箋・はがき、または品物に添える一筆箋 |
迷ったら「贈った側は送り状、受け取った側はお礼状」と覚えておけば大丈夫です。どちらも必須の決まりではありませんが、ひと手間かけた手紙があるだけで、品物の印象はぐっと変わります。

お歳暮のお礼状の書き方|まず押さえたい基本
お礼状はいつまでに出す?目安は3日以内
お礼状は、品物を受け取ってから3日以内に出すのが目安です。お歳暮は「届いた」という知らせを兼ねているので、早いほど相手も安心します。
もし遅れてしまっても、出さないよりはずっとよいもの。「御礼が遅くなり失礼いたしました」とひとこと添えて、気づいた日に出しましょう。親しい間柄なら、まず電話やメッセージで届いたことを伝え、あらためて手紙を出すとより丁寧です。
お礼状の基本構成(前文・主文・末文・後付け)
お礼状は、次の4つのブロックで組み立てます。この順番どおりに書けば、形がととのいます。
- 前文:頭語(拝啓など)→ 時候の挨拶 → 相手の安否を気づかう言葉
- 主文:お歳暮へのお礼 → 品物の感想(家族で食べた、など具体的に)→ 一年のお礼
- 末文:相手の健康を祈る言葉・来年もよろしくのあいさつ → 結語(敬具など)
- 後付け:日付・差出人・宛名(ビジネスや目上のかたへは入れる)
いちばん大切なのは主文の「品物の感想」です。「ありがたく頂戴しました」だけでなく、「家族で囲んでいただきました」「好物を覚えていてくださったのがうれしく」のように、受け取ったあとの様子をひとこと入れると、定型文でも温度が伝わります。

12月の時候の挨拶と、頭語・結語の組み合わせ
12月のお礼状でよく使う時候の挨拶です。改まった相手には漢語調、親しい相手には口語調が向いています。
- 漢語調:「師走の候」「歳末の候」「初冬の候(上旬向き)」「寒冷の候」
- 口語調:「師走に入り、何かと気ぜわしい日々が続いております」「今年も残すところわずかとなりました(下旬向き)」
頭語と結語は「拝啓〜敬具」が基本です。とくに改まった相手には「謹啓〜謹白」も使えます。女性が書く場合は、結語を「かしこ」にしてもかまいません。親しい人へのはがきや一筆箋なら、頭語・結語は省いて大丈夫です。
はがき・封書・一筆箋、どれで出す?
目上のかたや取引先には、便箋に書いて封書で出すのがいちばん丁寧です。便箋は白無地か淡い色のものを選び、縦書きにするのが正式とされています。親しい親戚や友人なら、はがきでも失礼にはあたりません。一筆箋は短い手紙向けなので、親しい相手へのお礼や、品物に添える送り状に使うのがおすすめです(後半で文例を紹介します)。

お歳暮のお礼状の例文|相手べつ5選
ここからは、そのまま使えるお礼状の文例です。○○の部分を、品物の名前やご自身の言葉に入れかえてください。
文例①取引先へのお礼状(ビジネス)
会社あてに届いたお歳暮へのお礼です。会社として出すため、差出人は代表者名や部署名にします。
拝啓 師走の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびは結構なお歳暮の品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。社員一同、ありがたく頂戴いたしました。
本年も大変お世話になりました。来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和○年十二月○日
株式会社○○ 代表取締役 ○○○○
株式会社△△ 代表取締役 △△△△様
文例②部下・教え子へのお礼状(目上の立場から)
お歳暮は目上のかたが受け取ることの多い贈りものです。目上から目下へのお礼状は、かしこまりすぎず、相手の一年をねぎらう言葉を入れると喜ばれます。
拝啓 師走を迎え、寒さもひとしお身にしみる頃となりました。お元気でお過ごしのことと思います。
このたびはご丁寧にお歳暮をお贈りくださり、ありがとうございました。私の好物の○○を覚えていてくれたことが何よりうれしく、家族でおいしくいただきました。
今年は○○でのがんばりがじつに頼もしく、私もずいぶん助けられました。
寒さ厳しき折、体調をくずさぬよう気をつけて、どうぞよい年をお迎えください。
敬具
文例③義理の両親へのお礼状
ご実家や義理のご両親から、特産品などが届いたときのお礼です。孫の様子を入れると、ぐっと喜ばれます。
拝啓 師走に入り、朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。お義父様、お義母様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。
このたびは、おいしい○○をたくさんお送りいただき、ありがとうございました。子どもたちも大喜びで、さっそく夕食でいただきました。いつもお心にかけていただき、本当に感謝しております。
年末年始には、家族そろってごあいさつにうかがう予定です。寒さがいっそう厳しくなりますので、どうぞお体を大切になさってください。
敬具
文例④親戚・友人へのお礼状(カジュアル)
親しい相手なら、頭語や時候の挨拶は省いて、話しかけるように書いてかまいません。はがきや一筆箋でも十分です。
師走に入り、なにかと慌ただしい毎日ですね。お元気ですか。
先日は、おいしい○○を送ってくれてありがとう。届いたその日に家族で食べて、みんなで「やっぱりこれだね」と話していました。
今年もいろいろお世話になりました。来年もどうぞよろしくね。寒くなるので、風邪などひかないように気をつけてください。
文例⑤今後のお歳暮を辞退したいときのお礼状
「毎年いただくのは心苦しい」というときも、まずはお礼をしっかり伝えます。そのうえで、角が立たないようにやわらかく辞退の気持ちを添えます。
拝啓 師走の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびは結構なお歳暮の品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。いつもながらのお心遣いに、恐縮しております。
ただ、毎年このようなお気遣いをいただいては、かえって心苦しく存じます。どうか今後はお気遣いなさいませんよう、お願い申し上げます。これからも変わらぬお付き合いをいただけましたら、それが何よりの喜びです。
寒さ厳しき折、皆様どうぞご自愛ください。
敬具
勤め先の規定などで受け取れない場合は、品物を受け取らずに返送し、「規則により受け取れないこと」と「お気持ちへのお礼」を書いた手紙を添えるのが一般的です。
お歳暮の送り状の書き方
送り状とは?品物より先に届くように出す
送り状は、お歳暮を贈る側が「このようなお品を、いつごろお届けします」と知らせる手紙です。デパートや通販から直送するときに、品物だけが突然届くのを防いでくれます。
送り状は、品物より先に届くよう郵送するのが正式です。品物と同時か、少し前に着くくらいが目安。間に合わないときや親しい相手なら、品物の中に添え状として同封してもかまいません。
なお、お歳暮を贈る時期は、一般に12月初めから20日ごろまで。近年は11月下旬から贈るかたも増えています。年内に間に合わないときは、松の内(1月7日まで、地域によっては15日まで)に「御年賀」、それを過ぎたら「寒中御見舞」として贈ります。
送り状に書くこと
- 時候の挨拶と、相手の安否を気づかう言葉
- 一年間お世話になったお礼
- お歳暮を贈ったこと(品物・届く日の目安)
- 「ご笑納ください」などの結びと、来年もよろしくのあいさつ
品物の名前や到着日を書いておくと、相手が受け取りの準備をしやすくなり、親切です。
お歳暮の送り状の例文|相手べつ3選
文例⑥取引先への送り状(ビジネス)
拝啓 師走の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本年一年のご厚情への感謝のしるしとして、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。○月○日ごろ到着の予定です。ご笑納いただければ幸いに存じます。
来年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら、書中にてごあいさつ申し上げます。
敬具
文例⑦恩師・上司への送り状
拝啓 師走に入り、寒さが一段と身にしみる頃となりました。○○先生にはお元気でお過ごしのことと拝察いたします。
本年も何かとご指導いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、○○も無事に○○することができました。
つきましては、日頃の感謝の気持ちを込めまして、私の郷里の名産の○○を別便にてお送りいたしました。お口に合えばうれしく存じます。
年末に向けてご多忙のことと存じますが、どうぞお体を大切に、よいお年をお迎えください。
敬具
文例⑧両親・親戚への送り状
お父さん、お母さん、元気にしていますか。こちらはみんな元気にやっています。
今年もいろいろとありがとう。ささやかですが、お歳暮に○○を送りました。○日の午前中に届くように手配したので、受け取ってね。
寒くなるので、体に気をつけて。お正月に会えるのを楽しみにしています。
一筆箋で送るお歳暮の添え状・お礼の例文3選
一筆箋は、短冊のような細長い便箋です。数行で気持ちを伝えられるので、品物に添える送り状や、親しい人へのお礼にぴったり。頭語や時候の挨拶は省き、要点だけを簡潔に書くのがコツです。
文例⑨品物に同封する添え状(取引先・目上のかたへ)
本年も大変お世話になりました。
感謝のしるしに、心ばかりの品をお届けいたします。
ご笑納いただければ幸いです。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
文例⑩品物に同封する添え状(親しい人へ)
今年もありがとう。
地元で評判の○○を見つけたので送ります。
ご家族で召し上がってください。
よいお年を!
文例⑪一筆箋で書くお礼
お心のこもったお歳暮をありがとうございました。
さっそく家族でおいしくいただいています。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
一筆箋のお礼は、気心の知れた相手向けです。目上のかたや取引先へのお礼は、前半の文例①〜⑤のように便箋に書いて封書で出すと安心です。

和心工房の一筆箋は、出雲和紙でつくった縦罫の一筆箋です(18×8cm・20枚入り)。品物に一枚しのばせるだけで、ありきたりの送り状が、ていねいな「ごあいさつ」に変わります。
お歳暮の手紙でよくある質問
お歳暮にお返しは必要?
お歳暮は日頃のお礼として贈るものなので、基本的にお返しは必要ありません。お礼状を出せば十分です。どうしてもお返しをしたいときは、いただいた品の半額から同額くらいを目安に、年内なら「御歳暮」、年が明けたら「御年賀」や「寒中御見舞」として贈ります。
お礼はメールや電話だけでもいい?
親しい相手なら、電話やメッセージでも気持ちは伝わります。ただし目上のかたや取引先には、手書きのお礼状が丁寧です。急ぐときは、まず電話やメールで届いたことを伝え、あとから手紙を出すと安心です。
メールでお礼を伝えるときの例文です(文例⑫)。件名だけでお礼とわかるようにしておくと、相手が見落としません。
件名:お歳暮の御礼
○○株式会社 ○○部 ○○様
いつも大変お世話になっております。△△株式会社の△△でございます。
本日、結構なお歳暮の品を拝受いたしました。いつもながらのお心遣いに、心より御礼申し上げます。部署の皆で、ありがたく頂戴いたします。
本年も格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございました。来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
まずはメールにて、取り急ぎ御礼申し上げます。
夫あてに届いたお歳暮に、妻がお礼状を書くときは?
差出人には夫の名前を書き、その左下に小さく「内」と添えます。本文で「主人に代わりまして御礼申し上げます」とひとこと入れると、より丁寧です。
喪中のときも、お歳暮のお礼状や送り状を出していい?
お歳暮はお祝いごとではないので、こちらや相手が喪中でも、贈ることもお礼状を出すことも差し支えありません。ただし紅白の水引は避け、白無地の奉書紙や短冊をかけます。手紙では「おめでとう」などのお祝いの言葉を使わないようにしましょう。四十九日を過ぎていない場合は時期をずらし、年明けに「寒中御見舞」として贈るとよいでしょう。
お礼状を引き立てる、出雲和紙の便箋
お歳暮のお礼状は、一年の締めくくりに届く手紙です。だからこそ、文面だけでなく紙にも少しだけ心をくばると、受け取ったかたの記憶に残ります。
和紙は、手にしたときのやわらかな風合いと、ペンや筆の運びのなめらかさが洋紙とはちがいます。和心工房の便箋は、島根でつくられる出雲和紙の便箋。三椏(みつまた)の罫線入り・無地のほか、万年筆でもにじみにくい雁皮紙(がんぴし)の便箋もあり、相手や書く道具にあわせて選べます。

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ことしのお歳暮は、型にそった一通と、自分の言葉のひとことで。いつものやりとりが、ちょっと特別な年末のごあいさつになるはずです。
