この記事では出雲和紙の作り方について説明します。出雲和紙の製造工程は、おおきくわけて7段階あります。
- 皮剥ぎ ~ The peeling process
- 煮熟(しゃじゅく)~ The boiling process
- 灰汁抜き、塵取り ~ The removing impurities process
- 叩解(こうかい) ~ The beating process
- 紙漉き ~ The papermaking process
- 圧搾 ~ The pressing process
- 乾燥 ~ The drying process
↓出雲和紙の作り方の説明動画はこちら!
順を追って説明します。
皮剥ぎ ~ The peeling process
刈り取った原料を蒸して外側の黒皮を包丁ではぎます。残った白皮が紙となります。
煮熟(しゃじゅく) ~ The boiling process
白皮を釜にいれ、ソーダ灰を加えて軟らかくなるまで約2時間煮ます。
ソーダ灰には原料を柔らかくし、原料以外の不純物を溶かして取り除く作用があります。
灰汁抜き、塵取り ~ The removing impurities process
溶け出した不純物が原料に付着しているので、一晩中流水にさらしアクを取り除きます。
その後、地下水の流水で、皮についているごみを一本一本丁寧に取り除きます。
この作業を3回ほど繰り返します。
叩解(こうかい) ~ The beating process
原料の繊維を細かく解きほぐし、紙漉きの「紙料(しりょう)」の状態にします。
昔は棒などを手で打ちつけて砕いていましたが、今は「足踏み式うす」で打つ方法と,「ビーター」という機械を用いる方法の2段階があります。
雁皮は最初に「足踏み式うす」で繊維をほぐします。その後、「ビーター」による水圧で最終調整します。
紙漉き ~ The papermaking process
「漉き舟」の中に、原料とネリ(トロロアオイの根)から出る粘り気のある液)をいれ、「すき牛・けた」で紙を漉きます。
一日250枚ほど漉きます。均一な厚さの紙に仕上げるには、職人の長年の勘が必要です。
出雲和紙は「紙料とネリの配合」、「漉く時の簀桁(すけた)の操作の仕方」が一般の和紙と大きく異なります。
- 最初は浅く汲み上げて簀桁(すけた)全体に広げる。
- 次に比較的深く汲み込み、前後、ついで左右にうごかす。
- 最後は汲み込んだ紙料液が簀桁(すけた)の上に残らないようにする。
また、水も重要であり、どじょうが住めるようなきれいな水で漉かないと、繊維が傷みよい紙ができません。
圧搾 ~ The pressing process
漉き上がった紙は一枚ずつ濡れたまま重ねていきます。この和紙が重なった状態を「紙床(しそう)」と呼びます。
「紙床(しそう)」は一晩置いて余分な水分を落とした後、ジャッキで徐々に加圧しゆっくりと水切りをします。
乾燥 ~ The drying process
「紙床(しそう)」から水切りした紙を一枚ずつはがして乾燥します。
乾燥には、板に張りつけて干す天日乾燥と、蒸気で熱した鉄板に張って干す火力乾燥があります。
最後に繊維は均一に広がっているか、傷や不純物がないことを確認して、完成となります。