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初釜での懐紙の使い方。法事や日常でも。

初釜の季節、白い懐紙が織りなす所作の美しさに魅了されたことはありませんか。お正月の茶会で、目の前の和菓子をどのように頂こうかと一瞬迷った経験を持つ方も多いのではないでしょうか。

実は、懐紙には日本人の美意識と心遣いが息づいています。菓子を頂く時の四つ折り、お茶を頂く時の二つ折り、そして折り目を自分側に向けることまで、一つ一つの所作に深い意味が込められているのです。

今回は、初釜から法事、日常使いまで、懐紙の基本と心得を、誰でも実践できるようにお伝えしていきます。

目次

初釜とは

新年最初の茶会である初釜は、一年の始まりを祝う特別な茶会です。この場で使用する懐紙の作法を知ることは、茶道の奥深さを理解する重要な要素となります。

初釜の流れ

初釜は、一般的な茶会と比べて特別な意味を持つ新年最初の茶会です。その流れを詳しく見ていきましょう。

  1. 席入り
  2. 初炭
  3. 懐石
  4. 主菓子
  5. 中立ち(席改め)
  6. 濃茶
  7. 薄茶

席入り

まず、水屋で手と口を清め、懐紙を用意します。茶室に入る際は、躙り口で一礼し、正座で進みます。床の間に飾られた新年の掛け軸を拝見し、席に着きます。この時、懐紙は右帯の間に収めておきます

初炭

亭主が新年初めての炭手前を行います。炉に初炭を入れる様子を、静かに見守ります。この時、炭の音や香りを楽しむのも初釜ならではの風情です。

懐石

本格的な食事である懐石が始まります。一汁三菜を基本とし、お椀やお皿が運ばれる度に、懐紙を取り出して使用します。食事の際は、箸使いや器の扱い方にも気を配ります。

主菓子

懐石の後に、主菓子が出されます。四つ折りにした懐紙の上に菓子を置き、楊枝を使って適度な大きさに分けていただきます。新年を祝う意味が込められた、特別な和菓子が用意されることも多いです。

中立ち(席改め)

一度席を立ち、水屋で口を清めます。この時、使用済みの懐紙は自身で持ち帰ります。席に戻る際は、新しい懐紙を用意します。

濃茶

濃茶は、茶碗を回し飲みする形で頂きます。二つ折りにした懐紙で茶碗の縁を拭い、次の方に渡します。この時、懐紙の清潔な面を使うよう心がけます。

薄茶

最後に薄茶が振る舞われます。一人一碗ずつ頂きます。この時も懐紙を使って茶碗の縁を丁寧に拭い、茶碗を回して戻します。

懐紙の役割

このように、初釜は新年を祝う特別な茶会として、一つ一つの所作に意味が込められています。懐紙は、この厳かな場において、清めと礼儀を象徴する大切な道具として使われるのです。

初釜での懐紙の使い方

初釜での懐紙の使い方には、細かな決まりがあります。これらの作法を知ることで、より一層茶会を楽しむことができます。

菓子を食べる時

菓子を頂く際は、まず懐紙を四つ折りにします。その際、折り目を自分側に向けることが大切です。これは、菓子の食べかすが他の方に見えないようにする配慮からです。菓子は必ず懐紙の上に置き、直接手で触れることは避けましょう。

お茶を頂く時

お茶を頂く際は、別の懐紙を用意します。この時は、茶碗を拭う用途で使用するため、二つ折りにします。お茶を飲み終わった後、飲み口を懐紙で軽く押さえるように拭い、茶碗を回して戻します。

その他の場面での懐紙の使い方

懐紙の使用は茶会だけでなく、様々な場面で見られます。

それぞれの場面に応じた適切な使い方を知ることで、より上品な所作となります。

法事での使い方

法事では、お焼香の際に懐紙を使用します。この場合、四つ折りにした懐紙をお香の受け皿として使います。お焼香が終わったら、懐紙は必ずお持ち帰りください。

日常の使い方

日常生活でも、懐紙は様々な場面で活用できます。和菓子を頂く際の敷き紙として、あるいはお茶請けの受け皿として使用することで、普段の生活にも和の趣を加えることができます。

懐紙でよくある間違いと気をつけたいポイント

懐紙の使用には、いくつか注意すべきポイントがあります。

これらを意識することで、より美しい所作となります。

懐紙の置き方・取り出し方の注意点

懐紙は必ず右側から取り出し、左手で受け取ります。置く際は、折り目を自分側に向け、端正に配置します。乱雑な扱いは、場の雰囲気を損ねる原因となりかねません。

季節や場面による懐紙の使い分け方

季節や場面によって、懐紙の色や柄を選ぶことも大切です。初釜では白の無地が基本ですが、季節の花鳥風月をあしらった柄物を選ぶことで、より風情のある茶会となります。

初釜での懐紙の使い方。まとめ

懐紙は日本の伝統文化における「美」と「配慮」の象徴です。以下の重要なポイントを覚えていただければ、基本的な作法は押さえることができます。

  • 初釜では基本的に白の無地の懐紙を使用
  • 菓子を食べる時は四つ折り、お茶を飲む時は二つ折りにする
  • 折り目は必ず自分側に向ける
  • 使用済みの懐紙は必ず持ち帰る

このような基本を押さえることで、茶会や法事、日常の場面でも適切に使用することができます。懐紙の所作の一つ一つには、日本の伝統文化の精神が込められているのです。

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