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和紙の種類と原料

出雲民芸紙の原料は以下の三種類です。

雁皮は島根半島に自生しているものを用います。
三椏と楮は、高知県産のものを使用します。

現在原料は、皮になったものを原料問屋さんから購入しています。

出雲民芸紙の紙つくりは、この三つの原料を単独に使います。

雁皮の紙は雁皮の紙らしく、三椏の紙は三椏の紙らしく、
楮の紙は楮の紙らしく、作ることを大切にしています。

また、紙が長持ちするように、原料の繊維は極力いためないように、
原料を処理しています。

①雁皮(がんぴ)

【特徴】
ジンチョウゲ科に属する落葉低木で、成長するのに20年かかり、栽培が困難で、山野に自生するものを使用しています。出雲はこの珍木に恵まれており、古代から作られています。樹液の多い6月頃に生剥ぎし、乾燥させて保存。工房では30年寝かせたものから使います。繊維が細く長く強いのが特徴です。外皮と中の白皮の間に緑色の養分があり、これが独特の光沢を出すので、黒い外皮後と煮ます。したがって、あとから黒皮やごみを除去する手間が大変という欠点もあります。しかし、変色せず虫にも水にも強いため、和紙の王と呼ばれ、古くから永久保存用の記録紙などに用いられております。故・安部榮四郎は、この雁皮紙を古代の製法に従って再現したことで、人間国宝になりました。

【用途】
何千年も生きることが実証されているほど強いので、古来より、記録保存用紙や写経、襖壁表装用、版画用、書画の表具用、案内状、書物の本文や装填用 など

②三椏(みつまた)

【特徴】
雁皮と同じジンチョウゲ科に属する落葉低木で4~5月ごろ黄色のかわいい花が咲きます。成長するのに3,4年かかります。白皮の部分が原料となります。和紙に使用しはじめたのは近世になってからです。 繊維は、楮に比べて繊細で光沢があり、その紙は紙幣、ペン書用紙、書籍印刷用紙などに適しています。

【用途】
ペン書、石版、書籍印刷、襖壁表装用、ちぎり絵、切り絵 など

③楮(こうぞ)

【特徴】
楮は、桑科に属する多年生の落葉低木で、外側の黒皮を削り取り、中の白皮を原料とします。成長に1年くらいかかります。その繊維は、紙の原料の中でも最も強くて長いです。また繊維のからみ合う性質が強いので、紙は強く、もんでも丈夫、素朴で強靭であり、和紙らしい和紙といえます。ただし虫に侵されやすいので、現在はこれを防ぐ特殊加工が施されています。全国の和紙のほとんどがこの原料です。

【用途】
毛筆、木版、壁紙、襖紙、和紙加工品

参照:
出雲民芸紙工房「出雲民芸紙ができるまで」
月刊絵手紙2010年4月号

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